MLB激震　2投手が賭博で起訴…26歳右腕は逮捕　『不正投球』で4つの罪　絶対的守護神に後輩が加担　連邦検察が発表

米大リーグ、ガーディアンズのエマニュエル・クラセ投手（27）とルイス・オルティス投手（26）をスポーツ賭博およびマネーロンダリング共謀の罪で起訴したと9日（日本時間10日）、米ニューヨーク東部地区連邦検察庁が発表した。 【写真】米カリフォルニア州サンタアナの連邦地裁に向かう水原一平被告 この日、ニューヨーク州ブルックリンの連邦地裁で2選手の起訴状が公開され、両被告がメジャーリーグの試合で投じた球を不正操作し、賭けの結果を操作する共謀に関与したとして、電信詐欺共謀罪、業務提供に関する電信詐欺共謀罪、贈収賄によるスポーツ競技操作共謀罪、マネーロンダリング共謀罪の罪に問われたとした。 オルティス被告はこの日、マサチューセッツ州ボストンで逮捕。10日（同11日）に当地の連邦地裁で初出廷する予定で、正式な起訴手続きは後日、ニューヨーク東部地区連邦地裁で行われる。クラセ被告は現時点で米国当局の拘束下にはない。 連邦当局によるとクラセ被告は2023年5月頃から賭博師と共謀し、自らが投じる特定の球速や球種に関する「プロップベット（個別の賭け）」を不正に操作。賭博師はクラセ被告と事前、場合によっては試合中に連絡を取り、クラセ被告の投球内容を把握。オンライン賭博サイトで数千ドル単位の賭けを行っていたという。クラセ被告は打席の初球で八百長投球を行うことが多く、わざとストライクゾーンから外れたボールを投じて「ボール判定」を確実にさせるよう仕組んだとという。クラセ被告はこの非公開情報の提供と引き換えに、賄賂やキックバックを受領。また、計画の資金提供のため自ら賭博師に金を渡すこともあった。共謀者の賭博師らは少なくとも40万ドル（約6100万円）の不正利益を得たとされている。 オルティス被告は今年6月以降に、クラセ被告の計画に加わり、事前に特定の球をボールにすることを賭博師らと取り決め、賄賂を受け取ることで合意。6月15日マリナーズ戦で先発だったオルティス被告は、試合前に特定の投球をボールとすることで合意し、見返りとしてオルティス被告は5000ドル（約76万円）、クラセ被告も5000ドルを受け取った。また、6月27日のカージナルス戦でも先発したオルティス被告は賭博操作に合意し、クラセ被告とともに7000ドル（約107万円）を受け取った。オルティス被告は7月初旬、クラセ被告は7月下旬にスポーツ賭博調査の一環で、MLB機構が有給の休職と課していた。 ともにドミニカ共和国出身の選手で、クラセ被告は今季48試合登板で5勝3敗、24セーブ、防御率3・23の成績。通算366試合登板で、21勝26敗、182セーブ、防御率1・88と絶対的守護神の座を確立していた。オルティス被告は今季16試合の先発で、4勝9敗、4・36の成績。通算75試合登板で16勝22敗、防御率4・05の成績だった。

起訴、逮捕に関わったジョセフ・ノセラ連邦検事は声明を発表し、「チームメートやリーグ関係者だけでなく、フェアプレーを信じるファンに対しても信頼という特別な立場にある。しかし、被告らはその信頼を賭博師たちに売り渡し、投球を操作することで裏切った。本日の起訴は、われわれが今後も不正な手段でスポーツを腐敗させる者たちを厳しく追及していく姿勢を明確にするもの」とした。